標高、3,106m。

北穂高岳は、中部山岳国立公園内の北アルプス南部、長野県と岐阜県の県境に聳える標高3,106mの岩山です。その名の通り穂高連峰の北端に位置し、涸沢岳(3,110m)、奥穂高岳(3,190m)、前穂高岳(3,090m)、西穂高岳(2,909m)へと岩稜が続きます。

穂高連峰は日本最大級の圏谷、涸沢カール(2,300m)を抱くように聳えています。北穂高岳からは一般登山ルートの南稜と、バリエーションルート(岩登り)の東稜が涸沢へと続きます。また北側には大きく切れ落ちた大キレット(大切戸、最低鞍部2,748m)と呼ばれる稜線が南岳(3,033m)まで伸びその先は槍ヶ岳(3,180m)へと続きます。

西側(岐阜県)には北穂高岳の代名詞とも言える日本を代表する岩場、滝谷が数百メートルも切れ落ちています。その厳しく険しい大岩壁を、伝説の山案内人上條嘉門次が「鳥も通わぬ」と形容したことで有名です。

頂上から1分。

北穂高小屋は、北穂高岳頂上直下にある山小屋です。先代主人小山義治によって1948年(昭和23年)に開業いたしました。人力で資材を担ぎ上げ、滝谷の絶壁を見下ろすこの場所に2年余りかけて建設し、その後少しずつ改築しながら今に至っています。北穂高小屋は、今も昔も360°の大パノラマに囲まれ、多くの登山者の安全を見守り続けています。

空撮写真、7月初旬撮影
奥に前穂高岳と涸沢、手前影の部分が鳥も通わぬと言われる滝谷。北穂高小屋はこんなところに建っています。

小屋が小さいことや水が貴重で潤沢に使えないことなど、お泊まりいただくお客様にご不便をおかけすることも多く、申し訳なく思うことも度々です。でも、それも北穂高小屋の魅力のひとつとしてお楽しみいただけますようスタッフ一同努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

北穂高小屋 小山義秀